コラム
「まばら本」4号発売中。そこに込めた思いとは?
こんにちは。「まばら本」編集長の小林麻衣です。今回は私から、弊社メンバーで制作&発行しているZINE「まばら本」の最新号についてご紹介します!
年1ペースで発行しているZINE「まばら本」は、ワールドリー・デザインのメンバーである著者10人でつくるノンフィクション雑文集です。それぞれに偏愛と熱意を込めて!毎号書き下ろしています。現在1〜4号が好評発売中です。
――ZINE(ジン)とは自主制作出版物のこと。企画から印刷、製本まで著者によって自由につくられる冊子。
今号の巻頭特集は、2024年元日に起きた能登半島地震について語り合ったトーク記録です。私たちが個人で体験した震災、その時感じたリアルな思いを率直に喋りました。
今回なぜこの特集テーマにしようと思ったかーーー。
石川県能登地方を中心に起きた元日の地震。私たちが住む富山県も最大震度5強を観測。地域や人によってその大きさに違いはあれど被災しました。その震災後、自覚していない衝撃とショックで、じわりじわりと心がやられてることありませんでしたか?しばらく経ってから、あれ?なんか自分、精神的に落ち込んでるかも…と思ったり、ニュースを見るのが辛くなってきたり。そんなことを身近な人が喋っているのを聞いて、「私も実はそうだった」「私はこう感じてた」というたわいのないお喋りの時間を持つことで、少し心が楽になったり、緩和されるってことってあるのかもしれないね。と、編集部内で話して、この特集が生まれたのでした。
震災から数ヶ月後の、私たちの等身大の言葉を綴っています。これを読んで共感したり、それぞれの心を見つめ直すきっかけになれば幸いです。
あたりまえのことを言いますが、「まったく同じ状態の人」というのはこの世に誰ひとりいません。今号の特集にも通ずるのですが、一人ひとりが違う思い、背景、境遇を抱えている。重い/軽い、平気/無理、面白い/面白くない、その尺度も人それぞれで。
だから、全部、それぞれの話なんです。あたりまえだけど。
誰かの一つの話に、共感できる人がいれば出来ない人もいる。さらにわかり合える者同士でも、フィーリングが合う時期と合わない時期がある。それは考えてみれば自然なことです、人は変化していくのだから。
そのあたりまえをほんっとうに忘れるんですよね。だから誰かの言動を見聞きして自分との考え方の違いにモヤっとしたり、いちいち他人と比べてしんどい気持ちになったりする。全部、それぞれの話だというのに。
そういう前提をちゃんと落とし込んだなら、きっと良い対話ができると思うのです。話したくなければ無理に話さなくてもいいし、話をするのが苦手ならば「書く」「読む」でもいいと思います。
ZINE「まばら本」は、著者と読者のささやかな対話の場になればいいなと思っています。
というわけで。1~3号に続き、各々が綴るシリーズエッセイも相変わらず自由奔放に掲載しています。著者10人それぞれの個性が爆発していて、きっとどれかはハマるはず(?)。私としては、手前味噌ではありますが、全ページ面白くて全ページ推せます。みんな違ってみんないい、それぞれの話をぜひクスッと笑いながらお読みいただけると幸いです。
毎度おなじみ「ふたてま舎」のリソグラフ印刷機で刷った表紙カバー。今号のカバーデザインは坂本理恵が担当しました。目が覚めるような蛍光ピンクはリソグラフならでは!インキの乗った風合いや紙のやわらかな質感、グリーンとの混色具合もお楽しみください。
メンバー情報はこちら
まばら本4
単価|500円(税込)
発行|2024年6月
仕様|四六判サイズ・フルカラー・全52ページ
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小さなSHOP|富山県射水市放生津19-21
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